鶴見事故から54年
早いもので本年も残すところ、あと1カ月余りとなりました。市会では、12月5日から19日まで、平成29年第4回定例会が開かれます。本年最後の定例会となりますが、常任委員会(子ども青少年・教育委員会)での審査も含め、責任ある議論を尽くして参ります。
161人が犠牲
1963年(昭和38年)11月9日、161名もの尊い生命が失われた鶴見事故が発生し、本年で54年目を迎えました。
9日当日は朝早くから、事故現場に設置されている供養塔において、地元の岸谷第四自治会主催による慰霊祭が執り行われました。
戦後発生した鉄道事故としては2番目に大きな列車脱線多重衝突事故ですが、時の経過やご遺族の高齢化などで、事故の風化が懸念されています。
そのような背景の中、地元自治会では、生命の大切さを次代に引き継いで行きたいとの思いで、昨年よりこの慰霊祭を始められたとの事です。
事故当時の貴重な映像や、実際に事故現場で救助に携われた方々のお話なども拝聴させて頂き、改めて鉄道事故の悲惨さを目の当たりにしました。遠方よりお越しになったご遺族もこのような取り組みに大変感謝をされておられました。
事故現場での慰霊祭のあとには、總持寺内にある供養塔にも立ち寄りました。
ご遺族や関係者が集っておられましたが、なかでも当時、20歳だった大学生のご子息が、ダンスパーティーからの帰宅途中に、ご友人とともに事故に巻き込まれたという、ご遺族のお話には胸が痛みました。
記憶後世に
總持寺の供養塔には、事故による犠牲者全員の氏名と年令が記されていますが、161名ものご遺族が向き合わねばならなかった現実を思うと、二度とこのような事故を起こして欲しくないと強く感じました。災害や事故は、時間の経過とともにその記憶が薄れ、備えなども不充分になりがちです。
ご遺族からも「鶴見事故を市の歴史として末永く後世に伝え、事故を風化させないことで、悲惨な事故を繰り返させないことができると信じています」との思いが寄せられています。
地域での地道な取り組みとともに、議会などでも安全対策の重要性を引き続き訴えて参ります。